Japanese
English
特集 診療に役立つ内視鏡分類2024
[食道]
食道静脈瘤
Esophageal varices
小原 勝敏
1
Katsutoshi Obara
1
1福島県保健衛生協会内視鏡センター
キーワード:
食道静脈瘤
,
門脈圧亢進症
,
内視鏡所見記載基準
Keyword:
食道静脈瘤
,
門脈圧亢進症
,
内視鏡所見記載基準
pp.22-27
発行日 2024年1月25日
Published Date 2024/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001188
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Ⅰ.疾患の概要
持続的な門脈圧亢進状態に伴い,生理的に存在する門脈-大循環系交通枝は径が拡大し,門脈から大循環への血流ルートとしての役割を担うようになる。食道静脈瘤はこの門脈-大循環側副血行路の一部であり,食道の粘膜下層を中心に静脈が腫瘤状に拡張したものである。門脈圧亢進症をきたすおもな基礎疾患は,肝硬変,特発性門脈圧亢進症,肝外門脈閉塞症,Budd-Chiari症候群などである。このうち肝硬変が最も多く,全体の約90%を占める。静脈瘤からの大量出血は致命的であり,止血できても二次性肝不全で死亡することも多い。ゆえに,食道静脈瘤所見(内視鏡分類)から出血リスクを詳細に検証し,内視鏡治療によって出血や再出血を未然に防止することが重要である。
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