Japanese
English
特集 膵囊胞マネージメント,これ一冊
[非腫瘍性囊胞性疾患(膵炎後を中心に)]
非腫瘍性囊胞性疾患の内視鏡的治療法(膵炎後を中心に)
Endoscopic treatment for non-neoplastic cyst of the pancreas
岩井 知久
1
,
木田 光広
1
,
奥脇 興介
1
,
渡辺 真郁
1
,
安達 快
1
,
石崎 純郎
1
,
花岡 太郎
1
,
眞部 優作
1
,
草野 央
1
Tomohisa Iwai
1
,
Mitsuhiro Kida
1
,
Kosuke Okuwaki
1
,
Masafumi Watanabe
1
,
Kai Adachi
1
,
Junro Ishizaki
1
,
Taro Hanaoka
1
,
Yusaku Manabe
1
,
Chika Kusano
1
1北里大学医学部消化器内科学
キーワード:
EUS下膵囊胞ドレナージ(EUS-CD)
,
EUS下経消化管ドレナージ(EUS-TD)
,
内視鏡的ネクロセクトミー(EN)
Keyword:
EUS下膵囊胞ドレナージ(EUS-CD)
,
EUS下経消化管ドレナージ(EUS-TD)
,
内視鏡的ネクロセクトミー(EN)
pp.883-889
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000799
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
膵周囲液体貯留(peri-pancreatic fluid collection:PPFC)は,急性膵炎,慢性膵炎の急性増悪,膵術後,外傷後などに滲出液の貯留,膵液の漏出,壊死物質の液状化などにより生じる比較的頻度の高い偶発症の一つである。無症候性のものもあるが,囊胞の増大や囊胞内出血による腹痛,感染による発熱,そして胆管や腸管などの隣接臓器の圧排や穿破といった重篤な合併症につながることもある。通常,慢性膵炎による膵管閉塞が原因の膵囊胞では,経乳頭的ドレナージによる膵管内圧の減圧が治療の第一選択になるが,重篤な感染例や膵尾部に存在する囊胞の場合,経乳頭的ドレナージでは効果が不十分なことも多い。さらに,主膵管と交通が認められない場合や囊胞内に壊死物質を認める場合には,EUSによるEUS下膵囊胞ドレナージ(EUS-guided cyst drainage:EUS-CD)が必要となることが多い。さまざまなアプローチ法があるがゆえに治療に際しては,膵囊胞の成因,病態に応じて正しい治療戦略を立てることが重要である。本稿では,膵囊胞に対する内視鏡的治療の適応と実際の手技について概説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.