特集 膵疾患に対する内視鏡診療のすべて
膵疾患に対する内視鏡診断 膵腫瘍に対するEUS-FNAにおける工夫と問題点、今後の展望
奥脇 興介
1
,
木田 光広
,
岩井 知久
,
長谷川 力也
,
升谷 寛以
,
安達 快
,
蓼原 将良
,
黒須 貴浩
,
渡辺 真郁
,
玉置 明寛
,
今泉 弘
1北里大学 医学部消化器内科
キーワード:
腫瘍播種
,
膵臓腫瘍
,
穿刺
,
針
,
予防的抗菌剤投与
,
超音波内視鏡下穿刺吸引法
,
組織診
Keyword:
Antibiotic Prophylaxis
,
Needles
,
Punctures
,
Pancreatic Neoplasms
,
Neoplasm Seeding
,
Endoscopic Ultrasound-Guided Fine Needle Aspiration
pp.1411-1417
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021368615
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EUS-FNAは、膵腫瘍の病理診断を得るうえで欠かすことのできない重要な内視鏡手技の一つであり、現在では多くの医療施設で実施される一般的手技になりつつある。これまでに、診断能を向上させるために穿刺方法やrapid on-site cytologic evaluationに代表される迅速評価法などさまざまな工夫が開発されてきた。とりわけ、新世代の生検針の開発はEUS-FNAの成績を大幅に改善させ、かつて細胞診によって行われていた病理診断は、組織診へと移行しつつある。さらにEUS-FNAによって採取した組織検体はがんゲノム医療において用いられるようになり、難治性の膵癌患者の予後の改善に役立つ可能性があるため、適正な組織検体を採取することが求められている。一方で、本邦を中心に近年needle tract seedingの報告が急増し懸念されており、そのリスクの解明や予防策の確立が必要である。
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