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特集 表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)の内視鏡診断と治療
[SNADETと鑑別を要する病変]
十二指腸リンパ管腫
Duodenal lymphangioma
今枝 博之
1
,
山口 浩
2
,
山田 健人
2
Hiroyuki Imaeda
1
,
Hiroshi Yamaguchi
2
,
Taketo Yamada
2
1埼玉医科大学消化管内科
2埼玉医科大学病理診断科
pp.758-759
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000768
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疾患の概要
リンパ管腫はリンパ管の組織奇形と考えられており,粘膜固有層から粘膜下層にかけてリンパ管が増殖,拡張して腫瘤を形成する良性疾患である。病理組織学的に毛細リンパ管腫,海綿状リンパ管腫,囊胞状リンパ管腫に分類され,十二指腸に発生するリンパ管腫の多くは海綿状リンパ管腫である1)。下行部に多く,次いで水平部にみられる。粘膜下層での拡張したリンパ管により,白色光観察では単発から多結節状の形態を呈する表面平滑な黄白色調の粘膜下腫瘍様の隆起を呈し,大きさは約1cm~数cmとさまざまである。黄白色の色調は充満した乳びを反映している。粘膜固有層の拡張したリンパ管内に貯留したリンパ液により頂部に点状の白色化を伴う2)。Narrow band imaging(NBI)併用拡大観察では,点状の白色化の表層に拡張した微小血管が認識される3)。生検すると貯留した白色の乳び様の液体がしばしば流出する。
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