Japanese
English
特集 GERDを極める
[各論 病態と診断]
非びらん性胃食道逆流症の病態と鑑別診断
Pathophysiology of non-erosive reflux disease (NERD) and its differential diagnosis
伊原 栄吉
1
,
水流 大尭
1
,
和田 将史
1
,
畑 佳孝
1
,
白 暁鵬
1
,
田中 義将
1
,
蓑田 洋介
1
,
江崎 充
1
,
荻野 治栄
1,2
Eikichi Ihara
1
,
Hirotaka Tsuru
1
,
Masafumi Wada
1
,
Yoshitaka Hata
1
,
Xiaopeng Bai
1
,
Yoshimasa Tanaka
1
,
Yosuke Minoda
1
,
Mitsuru Esaki
1
,
Haruei Ogino
1,2
1九州大学大学院医学研究院病態制御内科学
2九州大学大学院医学研究院消化器代謝学
キーワード:
非びらん性胃食道逆流症
,
Rome IV基準
,
高解像度食道内圧検査
,
食道内多チャンネルインピーダンス・pHモニタリング検査
Keyword:
非びらん性胃食道逆流症
,
Rome IV基準
,
高解像度食道内圧検査
,
食道内多チャンネルインピーダンス・pHモニタリング検査
pp.607-614
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000731
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はじめに
非びらん性胃食道逆流症(non-erosive reflux disease:NERD)は,「胃内容物の食道内への逆流に伴って胸やけや呑酸などの症状を認めるにもかかわらず,内視鏡的検査にて食道粘膜障害を認めない状態」と定義される。食道内ヘの異常な酸逆流が上記症状を引き起こす病態を念頭に入れた定義であるが,上部消化管内視鏡検査のみでは,この病態を正確に評価することはできない。日常臨床にて症状をもって診断するNERD(広義のNERD)には,真のNERD(狭義のNERD)以外にもいくつかの病態が紛れ込んでしまうことにNERD診療の難しさがある。最近,食道機能を可視化する食道生理機能検査の発展によってNERD診療が飛躍的に進歩した。本稿では,日常臨床で診断するNERD(広義)の病態とその鑑別診断について概説する。
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