特集 GERD診療Update 2023
11.食道運動機能障害に起因するGERDと関連諸疾患の鑑別
畑 佳孝
1,2
,
和田 将史
1
,
水流 大尭
1
,
田中 義将
1
,
荻野 治栄
1,2
,
伊原 栄吉
1
1九州大学大学院医学研究院病態制御内科学
2九州大学大学院医学研究院消化器代謝学
キーワード:
食道運動機能障害
,
シカゴ分類
,
PPI/P-CAB抵抗性GERD
Keyword:
食道運動機能障害
,
シカゴ分類
,
PPI/P-CAB抵抗性GERD
pp.1201-1209
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002753
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胃食道逆流症(GERD)は「胃内容物の逆流により,不快な症状あるいは合併症を生じた状態」と定義される.日常診療で遭遇する,症状のみで食道粘膜傷害のない非びらん性逆流症(NERD)には,GERD以外の病態が紛れ込む.NERDと鑑別すべき重要な病態に食道運動機能障害(EMDs)があるが,EMDsの一つである無蠕動は高頻度にGERDを合併するため,疾患の理解を複雑化させている.最近,食道生理機能検査の発展に基づいてGERDの病態,鑑別疾患の理解が飛躍的に進歩した. 本稿では, EMDsに起因するGERDと鑑別すべき関連諸疾患について概説する. 治療抵抗性GERDに遭遇した際には食道生理機能検査を行い,機能性食道疾患,食道運動機能障害,行動障害などの鑑別を行うことが重要である.
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