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特集 上部消化管内視鏡のトラブルシューティング
[各論]静脈瘤に対する内視鏡治療
EVLがうまくかからず出血した
Bleeding due to failed EVL
山本 果奈
1
,
松永 卓士
1
,
林 涼子
1
,
中村 真一
1
Kana Yamamoto
1
,
Hiroshi Matsunaga
1
,
Ryoko Hayashi
1
,
Shinichi Nakamura
1
1東京女子医科大学消化器内科
キーワード:
食道静脈瘤
,
EVL
,
EIS
Keyword:
食道静脈瘤
,
EVL
,
EIS
pp.190-192
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000626
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Ⅰ 内視鏡的止血の方法
食道静脈瘤出血に対する止血治療として第一選択は内視鏡的止血術である。患者の全身状態が安定し,内視鏡検査が可能と判断したときにはタイミングを逃さず緊急内視鏡を行う。現在,食道静脈瘤破裂に対し,最も多く行われているのは内視鏡的静脈瘤結紮術(endoscopic variceal ligation:EVL)である。しかし,過去に静脈瘤の治療歴があり,その瘢痕によって十分な吸引・結紮ができない場合やフィブリン栓の様態によりEVLが難しい場合は,内視鏡的硬化療法(endoscopic injection sclerotherapy:EIS)を選択すべきこともある。EVLで治療するかEISで治療するかの明確な判断基準はなく,まずは術者の得意とする手技を選択すべきである。所見として出血点付近に瘢痕がある場合や送気により食道壁の伸展不良がある場合はEVLが困難であることが多い(図1)。また,大量出血で視野の確保が困難な場合や内視鏡治療中の容体の悪化時には速やかに内視鏡を抜去し,Sengstaken-Blakemore(SB)チューブによる圧迫止血を行うこともある。
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