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特集 上部消化管内視鏡のトラブルシューティング
[各論]食道ステント留置術
留置後にステントが逸脱した
Dislocation od esophageal stent
服部 愛司
1
,
砂川 弘憲
1
,
矢野 友視
1
Aiji Hattori
1
,
Hironori Sunakawa
1
,
Tomonori Yano
1
1国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科
キーワード:
食道ステント
,
逸脱
,
内視鏡的回収方法
Keyword:
食道ステント
,
逸脱
,
内視鏡的回収方法
pp.188-189
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000625
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はじめに
食道ステント留置術は,食道癌などの悪性腫瘍の進行に伴う食道狭窄による嚥下障害や栄養障害などに対する姑息的治療の一つである。比較的簡便な手技で低侵襲かつ有用な治療であるが,留置後の合併症も一定の頻度で発生し,その一つとしてステント逸脱があげられる。脱落したステントは肛門より自然排出されることもあり経過観察されることもあるが,まれに脱落したステントが小腸内に停滞し消化管穿孔や閉塞をきたすこともあるため,可能なかぎり摘出することが望ましい。しかしながら,実臨床においては摘出の要不要や可否は,食道狭窄部の状態や患者の全身状態や予後などをもとに総合的に判断する必要があり,難しいことが少なくない。また,ステント逸脱は稀な有害事象であり,経験をしたことがある医師が少ないのも実情である。
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