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特集 大腸T1癌の診断と治療―内視鏡医・外科医・病理医のクロストーク―
[各論 診断:大腸T1癌の病理診断]
デジタル病理画像と人工知能―現状と今後の展望
Digital pathological images and artificial intelligence: present and future
高松 学
1
Manabu Takamatsu
1
1がん研究会がん研究所病理部
キーワード:
人工知能
,
デジタルスライド
,
大腸T1癌
Keyword:
人工知能
,
デジタルスライド
,
大腸T1癌
pp.62-66
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000591
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はじめに
病理組織標本のデジタル化は,現代の病理診断においてはなくてはならない要素となりつつある。今世紀に入ってから現在に至るまで,デジタルスライドの役割は症例検討会などにおける希少症例の共有や保存(アーカイブ)といった単純なものから,遠隔診断(テレパソロジー),他施設コンサルテーション,さらには施設内でのデジタル化による業務効率化など,より患者本位の医療に寄与するものに進化した。次なるステップは,病理組織標本のもつ高次元データから無駄なく情報を引き出すために,人工知能(artificial intelligence:AI)を活用した次世代の画像解析システムを構築し,従来の病理組織診断に代わる新たなツールとなることである。病理組織画像に対して従来行われてきたような細胞数カウントなどの単なる形態計測にとどまらず,病理画像と人工知能という特性を十分に活かした解析によって,今までは成し得なかった精緻な「組織学的評価」を行うことにより,真の個別化医療に資するものとなる。
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