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特集 表在型食道扁平上皮癌―内視鏡診断と治療update―
[各論 表在型食道扁平上皮癌の内視鏡診断]
非拡大スコープを用いた表在型食道扁平上皮癌のスクリーニング内視鏡検査
Screening of superficial esophageal squamous cell carcinoma using a non-magnifying endoscope
川田 研郎
1
,
春木 茂男
2
,
藤原 尚志
2
,
山口 和哉
2
,
坂野 正佳
2
,
徳永 正則
2
,
絹笠 祐介
2
,
大塚 和朗
1
Kenro Kawada
1
,
Shigeo Haruki
2
,
Hisashi Fujiwara
2
,
Kazuya Yamaguchi
2
,
Masayoshi Sakano
2
,
Masanori Tokunaga
2
,
Yusuke Kinugasa
2
,
Kazuo Ohtsuka
1
1東京医科歯科大学病院光学医療診療部
2東京医科歯科大学消化管外科
キーワード:
経鼻内視鏡
,
食道早期癌
,
画像強調内視鏡
Keyword:
経鼻内視鏡
,
食道早期癌
,
画像強調内視鏡
pp.1787-1792
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000525
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要旨
経鼻内視鏡には拡大機能がついていないものの,NBI,BLIに加えてLCI,TXIなどの新しい画像強調機能を備えた画質の良好な機器が開発され,スクリーニング検査においては通常径のスコープと遜色ない癌の拾い上げが可能である。食道表在癌の特徴は領域性のある発赤,正常血管透見の途絶,微細な小白苔付着,不整な凹凸などがあげられる。NBIで領域性のある濃いbrownish areaと内部のドット状の異常血管増生(brown dots)が早期発見に有用である。TXIはヨードとの相性がよく,モード2と0.5%の低濃度ヨードで苦痛軽減が可能である。癌との鑑別が必要なものは上皮の菲薄化,異型上皮,SIN,食道炎,異所性胃粘膜などがあるが,非拡大でも近接+画像強調併用で,5mmを超えればおおよそ鑑別は可能である。効率よく食道早期癌を拾い上げるためには,問診表を用いて,フラッシングの有無と飲酒歴からハイリスク例を抽出し,時間をかけて念入りに検査を行うことが望ましい。
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