Japanese
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特集 症例から学ぶ咽頭・食道ESD
咽頭表在癌のESD/ELPS
下咽頭癌が喉頭にまで及んでいる
What should we do when a hypopharyngeal cancer extends to the larynx?
川田 研郎
1,2
,
河邊 浩明
3
,
岡田 隆平
3
,
坂野 正佳
2
,
小郷 泰一
2
,
藤原 尚志
2
,
大野 十央
3
,
春木 茂男
2
,
國枝 純子
4
,
朝蔭 孝宏
3
Kenro Kawada
1,2
,
Hiroaki Kawabe
3
,
Ryuhei Okada
3
,
Masayoshi Sakano
2
,
Taichi Ogo
2
,
Hisashi Fujiwara
2
,
Kazuchika Ohno
3
,
Shigeo Haruki
2
,
Junko Kunieda
4
,
Takahiro Asakage
3
1東京医科歯科大学病院光学医療診療部
2東京医科歯科大学病院食道外科
3東京医科歯科大学病院頭頸部外科
4東京医科歯科大学病理部
キーワード:
下咽頭癌
,
ELPS
,
頭頸部表在癌
Keyword:
下咽頭癌
,
ELPS
,
頭頸部表在癌
pp.1145-1150
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001552
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はじめに
Narrow band imaging(NBI)1)をはじめとする画像強調内視鏡や拡大内視鏡2),経鼻内視鏡3)などの内視鏡診断技術の向上に伴い,多くの頭頸部表在癌の発見が可能となっている。従来は早期発見が難しく,放射線治療がT1/T2癌の主たる治療法であった4)が,近年頭頸部表在癌への治療は,本邦においては頭頸部外科医が行うビデオ喉頭鏡手術(transoral videolaryngoscopic surgery:TOVS5)),頭頸部外科医と内視鏡医が共同で行う内視鏡的咽喉頭手術(endoscopic laryngo-pharyngeal surgery:ELPS6)),内視鏡医が行うESD7)などが行われており,総じて経口的手術(trans oral surgery:TOS)と呼ばれている。経口的手術の適応は,大きさ4cm以下,癌の浸潤が上皮下層までにとどまり,筋層や軟骨浸潤のないもの,明らかな転移がないものが良い適応とされているが,長期成績が良好なことが判明し8),経験豊富な一部の施設ではT3相当の広い病変やリンパ節転移陽性例への適応拡大も行われている。2019年4月より鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(K374-2),2022年にはロボット手術(transoral robotic surgery:TORS9))が本邦で保険収載された。複雑な構造を有する咽喉頭領域では,頭頸部外科医・内視鏡医双方の協力による適切な症例選択と機器の使用,熟練した手技が求められる。本稿では,下咽頭癌が喉頭へ及んでいる場合の内視鏡治療のコツと適応について解説する。
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