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はじめに
近年,経鼻内視鏡は,鼻を通過できる6mm以下の極細径内視鏡で,咽頭反射が少なく,径の太い経口内視鏡よりも楽に検査ができることから,被検者の受容性の高い検査ツールとして広く本邦で普及している。本格的に消化器内視鏡のスクリーニング検査として用いられるようになったのは2000年代の前半で,当初は画質や操作性が通常径の内視鏡よりも著しく劣ることから,食道癌や胃癌の早期発見には不利であると考えられてきた。しかし年々画質や操作性が向上し,第一世代の画像強調内視鏡(image enhanced endoscopy:IEE)であるnarrow band imaging(NBI),やFICE,i-scan,さらに第二世代のblue laser imaging(BLI),やlinked color imaging(LCI),最近ではtexture and color enhancement Imaging(TXI)などの癌を見つけやすくする技術が開発され,これらの画像強調内視鏡を利用しながら検査を行うのが一般的となっている。年々機器の改良が重ねられ,オリンパス社からは2020年,complementary metal oxide semiconductor(CMOS)イメージセンサーによる低ノイズハイビジョンを装備した極細径内視鏡GIF-1200Nが発売された。また同時期に発売されたLEDを光源に用いる新型プロセッサーEVIS X1は癌の拾い上げから精査,治療に至るまでさまざまな機能によるサポートを実現している。また富士フイルム社からは2022年LEDを光源とし,BLI,LCIを利用できるEG-840Nが発売され,現在では各メーカーとも径の太い内視鏡とほぼ遜色ない鮮明な画像が得られるようになっている。
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