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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅳ. びまん性病変
1. びまん性炎症性病変
門脈亢進症性胃症
Portal hypertensive gastropathy (PHG)
高木 忠之
1
,
小原 勝敏
2
,
大平 弘正
1
Tadayuki TAKAGI
1
,
Katsutoshi OBARA
2
,
Hiromasa OHIRA
1
1福島県立医科大学消化器内科
2福島県立保健衛生協会内視鏡センター
キーワード:
門脈亢進症性胃症
,
肝硬変
,
門脈圧亢進症
Keyword:
門脈亢進症性胃症
,
肝硬変
,
門脈圧亢進症
pp.270-271
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000447
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疾患の概要
門脈亢進症性胃症(portal hypertensive gastropathy:PHG)は門脈圧上昇を背景とする胃粘膜のうっ血性病変である。組織学的には炎症を伴わず,粘膜内の毛細血管と集合細静脈の拡張と粘膜の浮腫性変化が特徴である1)。門脈圧亢進症患者の約50〜90%と比較的高頻度に認められる病態である。1975年のtaorら2)により初めて報告された。その後1985年に,病態本体がうっ血であることからgastropathyと提唱され,さらに1987年に門脈圧亢進症患者に特有であることから門脈亢進症性胃症(PHG)が適切であるとされた。内視鏡所見は,5つの所見を軽症と重症に区分したMcCormack分類が広く用いられている。軽症はfine pink speckling,superficial reddening,snake skin appearance,重症はcherry red spot,diffuse hemorrhageである。本邦においてはGrade1〜3まで分類したToyonaga分類が広く知られている3)(表)。
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