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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅳ. びまん性病変
1. びまん性炎症性病変
Helicobacter pylori 胃炎―現感染胃炎:びまん性発赤・点状発赤,皺襞腫大・蛇行―
H. pylori gastritis -current active gastritis: diffuse/spotty redness, enlarged/tortuous folds
河合 隆
1
,
秋本 佳香
1
,
岩田 英里
1
Takashi KAWAI
1
,
Yoshika AKIMOTO
1
,
Eri IWATA
1
1東京医科大学消化器内視鏡学
キーワード:
びまん性発赤
,
H.pylori胃炎
,
胃炎の京都分類
Keyword:
びまん性発赤
,
H.pylori胃炎
,
胃炎の京都分類
pp.252-253
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000438
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疾患の概要
びまん性発赤は,胃体部中心に連続的に広がる均一な発赤である。組織学的にはHelicobacter pylori(H.pylori)感染に伴う単核細胞浸潤とともに好中球浸潤の程度と有意な相関を示す所見であり,H.pylori感染の基本的な所見とされている。原則,びまん性発赤はH.pylori現感染のみに認められ,H.pylori未感染では認められず,H.pylori除菌成功により消失する。点状発赤は,胃体部から穹窿部において比較的広範囲に認められる。凹凸のない点状の発赤群であり,発赤の大きさは1〜2mm程度で不揃いである。H.pylori現感染のみに認め,H.pylori除菌により消失・軽減することが多い。皺襞腫大・蛇行は胃体部の粘膜の高度な炎症状態を背景に腺窩上皮の過形成をきたすことにより粘膜の肥厚を生じ,ひだが腫大すると考えられている。一般に,ひだが5mm以上に腫大している場合は皺襞腫大としてよい。実際の内視鏡観察では,胃体部大彎のひだが太く蛇行が目立ち,送気しても消失しない所見から診断することが重要である。H.pylori現感染において認められ,H.pylori除菌により消失・改善する1,2)。
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