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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅲ. 陥凹を呈する病変
2. 上皮性・腫瘍性陥凹病変
転移性胃癌(膵癌などの胃直接浸潤による病変)
Gastric metastasis of malignancy of other organs (direct invasion)
深澤 佳満
1
,
深澤 光晴
1
Yoshimitsu FUKASAWA
1
,
Mitsuharu FUKASAWA
1
1山梨大学医学部第1内科
キーワード:
膵癌
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
,
胃穿破
Keyword:
膵癌
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
,
胃穿破
pp.236-237
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000434
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疾患の概要
転移性消化管癌は稀な疾患とされるが,悪性腫瘍患者の剖検例において消化管への転移率は26%と比較的高く1),転移性胃癌は小腸,大腸に次いで3番目に多い2)。転移経路は血行性転移,腹膜腔内播種,直接浸潤がある2)。血行性転移は粘膜下層,筋層から転移巣が出現するため,粘膜下腫瘍様の内視鏡像となることが多く,病巣が増大すると中心陥凹や頂部に潰瘍を形成し,2型胃癌様,3型胃癌様へ変化する2)。腹膜腔内播種は腸間膜や漿膜に播種巣が出現し次第に粘膜側へ向かって浸潤していくため,内視鏡像は粘膜ひだの集中や限局性の壁肥厚といった内視鏡像を示すことが多いが,腫瘍の状況により粘膜下腫瘍様,Ⅱa病変様,3型胃癌様の像を認める2)。直接浸潤は漿膜外の他臓器腫瘍が粘膜内へ浸潤するため,粘膜の肥厚や硬化を認め,伸展不良で粗糙な粘膜面を呈する内視鏡像となり,進行すると広く境界不明瞭な隆起を形成する4型胃癌様,大きな潰瘍を形成する3型胃癌様の像を示す2)。
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