Japanese
English
今月の主題 一度見たら忘れられない症例
主題
転移性胃癌—乳癌(浸潤性小葉癌)による胃転移
Metastatic Gastric Carcinoma:Gastric Metastasis of Invasive Lobular Breast Carcinoma
荒尾 真道
1,2
,
上堂 文也
1
,
松浦 倫子
1
,
北村 昌紀
3
,
藤澤 文絵
4
Masamichi Arao
1,2
1大阪国際がんセンター消化管内科
2高山赤十字病院内科
3大阪国際がんセンター病理・細胞診断科
4大阪国際がんセンター腫瘍内科
キーワード:
転移性胃癌
,
乳癌
,
4型進行癌
Keyword:
転移性胃癌
,
乳癌
,
4型進行癌
pp.1150-1153
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202114
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臨床経過
患者:50歳代,女性.
主訴:嘔気,腹部膨満.
病歴:嘔気,腹部膨満が数週間続くため,近医で腹部超音波検査と腹部単純CTが撮影され,腹水を指摘された.上部消化管内視鏡検査(esophagogastroduodenoscopy ; EGD)で胃体部に粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)様の隆起と皺襞腫大を認め,ポジトロン断層法で胃,腹膜,腹水に異常集積を認めたため,進行胃癌による腹膜播種が疑われ,精査加療目的に当院を紹介され受診した.
当院で行ったEGDでは,胃穹窿部の皺襞腫大,胃体部に多発するSMT様隆起や皺襞腫大を認めた(Fig.1).多発病変であったことから,転移性胃癌が鑑別に挙がり,既往歴を確認したところ15年前に乳癌の手術歴があり,12年経った時点で経過観察が終了していた.
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