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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅲ. 陥凹を呈する病変
2. 上皮性・腫瘍性陥凹病変
早期胃癌(0-IIc, EBV関連胃癌)
Early cancer associated with Epstein-Barr virus infection
鈴木 悠悟
1
Yugo SUZUKI
1
1国家公務員共済組合連合会 虎の門病院消化器内科
キーワード:
EBV関連胃癌
,
発赤
,
拡大内視鏡
Keyword:
EBV関連胃癌
,
発赤
,
拡大内視鏡
pp.224-225
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000428
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疾患の概要
Epstein-Barr virus関連胃癌(EBV-GC)はEBVの感染が発癌過程に関与した胃癌である。胃癌全体の6.9〜9%程度を占め,特に残胃癌では30%以上がEBV-GCとされる一方で,ESDの治療適応となる表在癌においては,その割合は約2%にとどまる1)。男女比は約2:1と男性に多く,近年の報告ではEBV-GCは通常の胃癌と比較してリンパ節転移率が低く予後がよいとされており2),EBV感染の有無が今後の胃癌診療に影響する可能性が示唆されている。組織学的には間質に高度なリンパ球浸潤を伴う低分化型腺癌(リンパ球浸潤癌:gastric carcinoma with lymphoid stroma:GCLS)を特徴としており,GCLSの約90%以上がEBV-GCであると報告されている3)。診断には組織学的に腫瘍細胞がEBV-encoded small RNA in situ hybridization(EBER-ISH)で陽性となることを証明する必要がある。
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