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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
3. 非上皮性隆起病変
B. 非腫瘍性非上皮性病変
胃壁内膿瘍
Gastric wall abscess
橋本 裕輔
1,2
Yusuke HASHIMOTO
1,2
1国立がんセンター東病院消化管内視鏡科
2フロリダ大学消化器内科
キーワード:
粘膜下腫瘍
,
膿瘍
,
ドレナージ
Keyword:
粘膜下腫瘍
,
膿瘍
,
ドレナージ
pp.140-141
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000392
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疾患の概要
胃内は胃酸が産生されているため,膿瘍を形成することは通常起こりにくいと考えられているが,これまで多数の胃壁内膿瘍が報告されている。胃壁内膿瘍の発生機序としては,原発性,続発性,特発性がある。原発性は胃粘膜の粘膜損傷を伴って発生し,胃潰瘍や胃癌,魚骨,内視鏡下生検,EUS-FNAB,ESDなどの粘膜傷害が起点となる。続発性は胆囊炎や肝膿瘍など,他の感染巣から血行性に膿瘍が形成される場合や他臓器の感染巣からの胃壁への直接進展がある。特発性はこれらにあてはまらない場合である。リスクファクターとしては,アルコール依存症,糖尿病,HIV感染症などがある。起炎菌はStreptococci speciesがもっとも多いが,Staphylococci,Escherichia coli,Klebsiella pneumoniae,Haemophilus influenzae,Candida albicansなども報告されている1)。
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