Japanese
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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
3. 非上皮性隆起病変
B. 非腫瘍性非上皮性病変
胃粘膜下層異所性腺管
Gastritis cystica profunda (GCP)
貝瀬 満
1
Mitsuru KAISE
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
異所性腺管
,
gastritis cystica profunda
,
胃癌
Keyword:
異所性腺管
,
gastritis cystica profunda
,
胃癌
pp.130-131
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000387
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疾患の概要
胃粘膜下層異所性腺管とは,本来は粘膜固有層に存在する腺組織が粘膜下層(異所)に存在する病態である。炎症のない粘膜に単発するものは先天的で,慢性胃炎を背景に多発するものは後天的と考えられている。後者は動物のHelicobacter pylori(H.pylori)感染実験で証明されており,慢性炎症によって胃粘膜の傷害と再生を繰り返す過程で再生・増殖する腺管組織が粘膜筋板の間隙から粘膜下層に入り込み,粘膜下層異所性腺管が生じる。この病態はgastritis cystica profunda(GCP)1)と呼ばれており,粘膜下層の囊胞状拡張腺管によって粘膜下腫瘍様の隆起を形成する。Kcne2遺伝子変異が成因に関与すると報告されている2)。非切除胃の胃体部粘膜に多発するものと残胃吻合部に生じるものがあり,後者は吻合部ポリープ状肥厚性胃炎(stomal polypoid hypertrophic gastritis:SPHG)とも呼称されている(312頁参照)。
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