胃と腸 図譜
胃粘膜下異所腺
萩原 朋子
1
,
角嶋 直美
1
,
小野 裕之
1
1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
pp.2056-2058
発行日 2011年12月25日
Published Date 2011/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102757
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1 概念,病態
胃粘膜下異所腺とは,本来胃粘膜固有層内に存在する胃腺組織が,異所性に胃粘膜下に認められるものである.切除胃の4.0~10.71)2)に認められると報告されている.40~60歳代に好発し,男性に多い.部位は胃体部に多い傾向がある.背景粘膜に萎縮性胃炎や腸上皮化性を示すことが多く,平坦なものから,polypoid状,粘膜下腫瘤様など様々な肉眼形態をとる.
発生機序は,胃粘膜のびらん・再生を繰り返している間に,粘膜下層に異所腺を生じるという後天性炎症説を有力視している報告が多い.一方,異所腺は先天的な過形成であるという説もあり,若年者の報告もまれではあるが存在す3).
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