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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
2. 上皮性・腫瘍性隆起病変
A. 亜有茎性・有茎性隆起
胃過形成性ポリープ内癌
Adenocarcinoma in hyperplastic polyp
樋口 和寿
1
,
貝瀬 満
1
Kazutoshi HIGUCHI
1
,
Mitsuru KAISE
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
過形成性ポリープ
,
早期胃癌
,
EMR
Keyword:
過形成性ポリープ
,
早期胃癌
,
EMR
pp.68-69
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000356
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疾患の概要
胃過形成性ポリープは慢性炎症に伴い間質や腺窩上皮細胞の過剰増生からなるポリープであり,上部消化管内視鏡検査でもっとも多く発見される非腫瘍性上皮性ポリープである。その多くは良性であるが,癌化する症例も一部にみられる。癌化症例は大きさが20mm以上の有茎性ポリープが多く,発赤調,表面粗大顆粒状,陥凹,分葉傾向を示す症例が多い。10mm以上の過形成性ポリープの癌の頻度は1.9%と報告されているが1),10mm以下で癌化する症例もみられる。癌化の機序としては,①異型性病巣の発生を経てその領域内に癌が発生する多段階発癌説,②過形成巣から直接癌化する説などが報告されている。過形成性ポリープに発生する癌の組織型は分化型腺癌(高分化型,中分化型,乳頭腺癌)が多いものの,稀に低分化腺癌,粘液癌もみられる。
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