Japanese
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特集 大腸鋸歯状病変のすべて
[各論 診断]
過形成性ポリープの亜分類とその意義
Subclassification of hyperplastic polyps and their significance
田中 義人
1,2
,
松下 弘雄
1
,
吉川 健二郎
1
,
加藤 文一朗
1
,
橋本 大志
1
,
萬 春花
1
,
高木 亮
1
,
東海林 琢男
3
,
榎本 克彦
3
,
菅井 有
2
Yoshihito Tanaka
1,2
,
Hiro-o Matsushita
1
,
Kenjiro Yoshikawa
1
,
Bunichiro Kato
1
,
Hiroshi Hashimoto
1
,
Haruka Yorozu
1
,
Ryo Takagi
1
,
Takuo Tokairin
3
,
Katsuhiko Enomoto
3
,
Tamotsu Sugai
2
1秋田赤十字病院消化器病センター
2岩手医科大学医学部病理診断学講座
3秋田赤十字病院病理診断科
キーワード:
過形成性ポリープ
,
MVHP
,
GCHP
Keyword:
過形成性ポリープ
,
MVHP
,
GCHP
pp.901-908
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000196
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はじめに
大腸鋸歯状病変は陰窩内腔に鋸歯状構造を有することを特徴とする病変であり,最新のWHO分類1)(以下,WHO2019)では過形成性ポリープ(hyperplastic polyp:HP),鋸歯状腺腫(traditional serrated adenoma:TSA),sessile serrated lesion(SSL)に大別されている。大腸鋸歯状病変において最も初期に認識されたHPは,当初は悪性化することのない非腫瘍性病変と考えられていた。しかし,その後TSAやSSLといった悪性化ポテンシャルを有する類縁病変の発見とそれらの臨床病理学的,分子生物学的特徴が解明されてきたことで,徐々にその発育進展と分子メカニズムが明らかになりつつある。WHO2019では病理組織学的,分子生物学的特徴からHPをmicrovesicular HP(MVHP)とgoblet cell-rich HP(GCHP)の2型に亜分類し,さらに両者を出発点とする発癌経路がserrated neoplasia pathwayとして示されているが,本邦ではこのようなHPの亜分類や発育進展が病理医や内視鏡医に広く理解されているとはいいがたいのが実情である。
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