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特集 消化管EUSのすべて
[各論 下部消化管疾患のEUS診療]
《TOPICS》EUSを用いた経直腸的ドレナージの実際
How to perform EUS-guided drainage for pelvic abscess?
曽我 幸一
1
,
崔 哲暢
1
,
北江 博晃
1
Koichi SOGA
1
,
Akinobu SAI
1
,
Hiroaki KITAE
1
1近江八幡市立総合医療センター消化器内科
キーワード:
骨盤内膿瘍
,
EUS
,
ドレナージ
Keyword:
骨盤内膿瘍
,
EUS
,
ドレナージ
pp.1574-1577
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000330
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はじめに
骨盤内膿瘍は,早期に適切な診断・治療が行われないと入院日数延長や社会復帰の遅れ,さらには致死的な状況に至る可能性がある。骨盤内膿瘍の原因として,虫垂炎や憩室炎に伴う腹膜炎,骨盤内手術後や炎症性腸疾患などに続発することが知られている。骨盤内膿瘍への治療には抗菌薬投与や速やかな膿瘍ドレナージがあるが,骨盤腔は膀胱,子宮,子宮付属器,直腸,血管系,尿路系など多くの臓器が存在しているため,ドレナージを行う際には注意が必要である。ドレナージにはさまざまな方法や穿刺経路があり,外科的,CTガイド,USガイド,EUSなどの方法を用いて,経皮,経膣,経直腸からアプローチを行う。以前は開腹ドレナージ術が行われてきたが,侵襲性の高さが問題である1)。EUS下骨盤内膿瘍ドレナージ(EUS-guided pelvic abscess drainage:EUS-PAD)はEUSを用いて穿刺する部位を可視化し,穿刺吸引,ドレナージデバイスを留置し,目的の膿瘍を改善させる治療である。2003年にGiovanniniら2)により初めて報告されたEUS-PADは手技成功率の高さ,安全性はもちろんであるが,入院日数の短縮に寄与するといわれている3)。
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