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特集 消化管EUSのすべて
[各論 下部消化管疾患のEUS診療]
大腸EUSにおける描出困難病変への対策
How to obtain clear images of colorectal lesions with EUS in difficult conditions?
小林 裕
1
,
藤谷 幹浩
1
,
斉藤 裕輔
2
Yu Kobayashi
1
,
Mikihiro Fujiya
1
,
Yusuke Saito
2
1旭川医科大学内科学講座病態代謝・消化器・血液腫瘍制御内科学分野(消化器・内視鏡学部門)
2市立旭川病院消化器病センター
キーワード:
大腸癌
,
EUS
,
超音波細径プローブ
Keyword:
大腸癌
,
EUS
,
超音波細径プローブ
pp.1566-1573
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000329
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要 旨
EUSにより病変の垂直断層像が得られ客観的な深達度診断が可能となる。しかし,10%以上の症例で適切な画像が得られず,なんらかの工夫が必要となる。1)深部減衰に対しては,積極的に低周波プローブを用いる必要がある。2)不適切な位置に病変がある場合は,体位変換や水分量の増減,スコープの押し引きによる腸管の伸展・短縮を利用する。3)脱気水充満不足には抗コリン薬などによる蠕動防止,水注入量の増加,体位変換,2チャンネルスコープによる水の持続注入などで対処する。4)有茎性病変では,頂部のみではなく基部からの描出も行う。5)リンパ濾胞や線維化は平坦・陥凹型の病変に多く認められることを念頭におき,浸潤所見と区別する。6)気泡については,注水速度の低下とこまめな吸引で対応する。7)スコープが不安定な場合は,アングル操作と介助者によるスコープ固定が有用である。これらの工夫により,大半の病変で良好なEUS画像が得られ,深達度診断能が向上する。
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