Japanese
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特集 消化管EUSのすべて
[各論 上部消化管疾患のEUS診療]
食道・胃静脈瘤の診断・治療におけるEUSの役割
The role of EUS in the diagnosis and treatment of esophago-gastric varices
小原 勝敏
1
Katsutoshi Obara
1
1福島県保健衛生協会内視鏡センター
キーワード:
食道・胃静脈瘤
,
EUS
,
門脈血行動態
Keyword:
食道・胃静脈瘤
,
EUS
,
門脈血行動態
pp.1504-1511
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000319
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要 旨
食道・胃静脈瘤に対する内視鏡治療を安全かつ効果的に行うには,治療前後の門脈血行動態の把握が重要である。特に,食道胃壁内外の血行路を詳細に観察するには細径プローブ(UMP)による観察が不可欠であり,3つの有用な役割がある。第一に治療方針の決定に有用で,UMPの静脈瘤形態から内視鏡的硬化療法(EIS)時の適切な穿刺針が選択できる。また,再発と関連するPeri-vと貫通静脈(Pv)を把握でき,初回のEIS時にこれらを治療するための適切な手技の選択,そして壁外シャントと交通するPv径から,シャント閉塞の治療方針が立てられる。第二にUMPは治療効果判定に有用で,治療後に静脈瘤の完全閉塞状態や壁内残存管腔の有無を確認でき,不完全なら追加治療を行う。またPeri-vやPvの閉塞状態や地固め効果も判定できる。第三に治療終了時のUMP所見から再発予知ができ,壁内管腔像とPvの残存,Peri-vの高度発達が重要な再発因子である。さらに,電子ラジアル走査式,コンベックス走査式EUSの有用性についても述べる。
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