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はじめに
切除不能悪性胆道閉塞に対する胆管ドレナージは,ERCP関連処置として経乳頭的胆管ステント留置が低侵襲かつ確実な治療方法として広く一般臨床において行われている。しかし,解剖学的・手技的な理由によりERCPが困難な症例では,従来であればpercutaneous transhepatic biliary drainage(PTBD)がその代替方法として行われてきた。近年では,EUS-guided biliary drainage(EUS-BD)の有用性が報告されている。EUS-BDはその手技の特徴から3つに大別することができる。①EUS-guided hepaticogastrostomy(EUS-HGS)やEUS-guided choledocoduodenostomy(EUS-CBS)など,消化管と胆管の間にステントを留置し瘻孔を形成する方法,②ガイドワイヤーを胆管穿刺後に乳頭部を介して十二指腸に留置し,留置したガイドワイヤーを利用してERCPを行うEUS下ランデブー法〔EUS-RV(EUS-guided rendezvous method)〕,③胆管と消化管の間に一過性に形成した瘻孔を介して胆管閉塞に対して順行性にステント留置するEUS-guided antegrade biliary stenting(EUS-ABS),である1)。切除不能悪性胆道閉塞のなかでも肝門部胆管閉塞は胆管分枝が腫瘍により分断されており,腫瘍の進展度などによりその程度も異なることから,ドレナージを行う範囲やステントの種類などに関するエビデンスが依然として十分ではなく,経乳頭的胆管ステント留置においてもcontroversialな部分が多い。肝門部胆管閉塞に対するEUS-BDに関しては,さらにエビデンスは乏しく,特にEUS-RVやEUS-ABSに関しては報告を認めない。そのため,本稿では非切除悪性肝門部胆管閉塞に対するEUS-RVおよびEUS-ABSについて,遠位胆管閉塞症例の場合と対比しながら私見を中心に概説する。
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