特集 肝胆膵
【総論】
【コラム④】胆膵系の機能疾患—Roma診断基準に基づく診断と治療
上村 真也
1
,
岩下 拓司
1
,
清水 雅仁
1
Shinya UEMURA
1
,
Takuji IWASHITA
1
,
Masahito SHIMIZU
1
1岐阜大学医学部附属病院 第一内科(消化器内科)
pp.654-659
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900587
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器質的な胆道病変を認めないにもかかわらず,心窩部痛,右季肋部痛,悪心・嘔吐などの消化器症状を認める症例が時にみられ,診断,治療に苦慮することがある。
機能性疾患の診断基準については,1992年に米国のDrossmanを中心とするmultinational working teamがRomaⅠ基準を発表して以降,Roma委員会が牽引してきた1)。Roma委員会では器質的病変を伴わない胆膵領域の機能性疾患を「機能性胆囊・Oddi括約筋障害」と定義し,そのなかでも胆道痛を伴うものを,機能性胆囊障害と機能性胆道Oddi括約筋障害に分類している。
本稿では,新たに2016年に改訂されたRomaⅣ診断基準2)に基づき,本疾患群に対する診断,治療法について概説する。
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