Superficially serrated adenoma（SuSA）の特徴と意義

Characteristics and significance of superficially serrated adenoma (SuSA)

はじめに

　2019年WHO分類では，大腸鋸歯状病変にはhyperplastic polyp（HP），sessile serrated lesion（SSL），traditional serrated adenoma（TSA）が含まれる^1）。筆者らは，既存の病変に分類困難な「組織学的に管状の腺腫様腺管から構成されるが表層に限局して鋸歯状構造を伴う大腸ポリープの一群」を見出し，これらをsuperficially serrated adenoma（SuSA）と名づけた^2）。SuSAはほとんどが直腸・S状結腸に存在し，褪色調もしくは正色調の広基性もしくは平坦隆起性病変である。SuSAは分子生物学的に均一な一群で，大部分がKRAS変異およびRSPO融合/過剰発現という遺伝子異常を有する。また，SuSAは一部のTSAの辺縁に付随して認められ，それらの病変ではTSA成分とSuSA成分で同一の遺伝子異常を認めることから，SuSAはTSAの前駆病変と考えられる^{2, 3）}。