特集 ここが知りたい、表在型Barrett食道腺癌
Barrett食道・Barrett食道腺癌の疫学と発癌リスク因子
天野 祐二
1
,
岩城 智之
,
勝山 泰志
,
早坂 健司
,
原田 英明
1浦和共済病院消化器内科
キーワード:
Barrett食道
,
胃食道逆流
,
飲酒
,
危険因子
,
タバコ喫煙
,
細菌感染症
,
食行動
,
食道炎
,
食道炎-逆流性
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
食道裂孔ヘルニア
,
性因子
,
腺癌
,
大腸腫瘍
,
肥満
,
年齢因子
,
超微構造
,
疫学的モニタリング
,
発癌
Keyword:
Barrett Esophagus
,
Bacterial Infections
,
Colorectal Neoplasms
,
Obesity
,
Feeding Behavior
,
Esophagitis
,
Esophagitis, Peptic
,
Esophagoscopy
,
Hernia, Hiatal
,
Gastroesophageal Reflux
,
Sex Factors
,
Adenocarcinoma
,
Tobacco Smoking
,
Esophageal Neoplasms
,
Age Factors
,
Risk Factors
,
Alcohol Drinking
,
Epidemiological Monitoring
,
Carcinogenesis
pp.1649-1658
発行日 2021年11月25日
Published Date 2021/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2022047998
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近年、逆流性食道炎症例の著しい増加に伴い、本邦でもBarrett食道およびそれに起因するBarrett食道腺癌が徐々に増加傾向にある。その結果、食道癌における扁平上皮癌vs腺癌の比率は10対1に近づくまでに至っており、欧米におけるBarrett食道腺癌の予後を考慮すると本邦でもそろそろ本格的な対策を講じる時期にきていると思われる。ただ、闇雲に検査をすることには疑問があり、発癌リスクを考えた効率のよいサーベイランスが必要である。本邦のBarrett食道発癌リスクとしては、高齢、男性、喫煙、肥満、胸やけ症状、大腸腫瘍などの臨床的因子に加え、Barrett食道長、逆流性食道炎、Barrett潰瘍、nodularity、柵状血管消失、さらにはmucosal patternやvascular patternなどの内視鏡的所見も発癌リスクの推定に有用である。今後はこれらの因子を加味したスコアリングシステムが構築され、発癌高リスク群が簡便に同定されるような、本邦の実情に適した独自の内視鏡サーベイランス法が確立されることを期待する。
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