Barrett食道の診断と治療up-to-date
Barrett食道の病態と疫学
天野 祐二
1
,
安積 貴年
,
坪井 優
,
本告 成淳
1国際医療福祉大学化学療法研究所附属病院 内視鏡部
キーワード:
Barrett食道
,
危険因子
,
食道腫瘍
,
脊柱変形
,
腺癌
,
大腸腫瘍
,
肥満
,
有病率
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Barrett Esophagus
,
Esophageal Neoplasms
,
Obesity
,
Risk Factors
,
Spinal Curvatures
,
Colorectal Neoplasms
,
Prevalence
pp.635-642
発行日 2014年5月20日
Published Date 2014/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014229236
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近年,米国においてもっとも増加率の高い癌が食道腺癌,すなわちBarrett腺癌である.本邦でも逆流性食道炎の増加,Helicobacter pylori感染率の低下や肥満の増加を背景に,胃食道逆流症,さらにBarrett食道症例が増え,その結果としてBarrett腺癌が増加しつつあるという危惧が生まれている.欧米では長さ3cm以上のLSBEが多いが,本邦におけるLSBEの頻度は約0.3%と欧米に比して著しく低く,一方でSSBEが高頻度に観察される.概ね欧米でのリスクファクターは本邦でも同様であるものの,この有病率や酸分泌能の違いなどから,欧米のBarrett食道の病態をそのまま本邦のBarrett食道症例に当てはめることはできない.今後のBarrett食道・腺癌に対する臨床的対策のため,早期にBarrett食道の診断基準を整理し,本邦のBarrett食道に関する情報をより多く収集すべきと考える.
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