特集 消化管内視鏡治療-基本から高難度まで
病理医から内視鏡医への要望
加藤 洋
1
1がん研究会がん研究所 病理部
キーワード:
Formaldehyde
,
胃腫瘍
,
生検
,
腺癌
,
大腸腫瘍
,
免疫組織化学
,
組織固定
,
パラフィン包埋
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Biopsy
,
Colorectal Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Stomach Neoplasms
,
Formaldehyde
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Paraffin Embedding
,
Adenocarcinoma
,
Tissue Fixation
pp.25-36
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2022030435
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診断病理医(以下、病理医)である著者が、最近の業務を通して感じたいくつかの点を列挙した。生検に関しては、検査可能な場合はできるだけ大きなものを採って欲しい。深切り、免疫染色、遺伝子検索など種々の追加検索の可能性が広がるからである。個数は、目的・疾患状況によるが、注目病変が平坦な腫瘍で長径20mmを超える場合は、複数箇所からの採取をお願いしたい。腫瘍の異型度判定に苦慮する例が多くなるからである。EMRやESD検体については断端の評価が問題となる。検体は適当に伸展して貼り付け・固定すること、また切り出しでは断端の折り返し(存在する場合)の積極利用をすすめたい。そして、病理診断には臨床情報が重要であることを2、3の実例を用いて示した。最後に、内視鏡医が知っておいて欲しい病理知識として、胃・大腸癌の生検診断における「超高分化腺癌」の意義、診断病理学における免疫染色の威力について、これもいくつか実例をあげながら解説した。
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