特集 胃癌診療のパラダイムシフト
診断面のパラダイムシフト 自己免疫性胃炎に伴う胃癌の特徴と頻度
貝瀬 満
1
,
土生 亜実
,
小泉 英里子
,
野田 哲人
,
樋口 和寿
,
恩田 毅
,
後藤 修
,
岩切 勝彦
1日本医科大学 消化器内科学
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
腺癌
,
発生率
,
神経内分泌腫瘍
,
ECL細胞
,
胃炎-萎縮性-自己免疫性
Keyword:
Enterochromaffin-like Cells
,
Stomach Neoplasms
,
Gastroscopy
,
Adenocarcinoma
,
Incidence
,
Neuroendocrine Tumors
pp.1124-1133
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021295045
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H.pylori感染率が低下するなか、自己免疫性胃炎を診断する機会が増加している。自己免疫性胃炎はさまざまな胃病変を合併するが、本邦多施設共同研究によると過形成性ポリープ21.1%、1型神経内分泌腫瘍(NET)11.4%、胃癌9.8%の発生頻度であった。1型NETは大多数が小病変であるが、転移例も少数報告されており、その予後は良好と考えられている。自己免疫性胃炎に伴う胃癌の特徴は、(1)自己免疫性胃炎が高度に進行した悪性貧血を合併することが多い、(2)肉眼型は0-IIa型または0-I型の隆起型が多い、(3)局在はM領域が約半数だがL領域にも一定程度みられる、(4)組織型は分化型腺癌が多数を占め胃型粘液形質が優勢、(5)大多数が早期胃癌で進行胃癌は稀、である。
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