特集 胃癌診療のパラダイムシフト
診断面のパラダイムシフト H.pylori未感染胃癌の部位と内視鏡形態
藤崎 順子
1
,
河内 洋
,
中野 薫
1がん研究会有明病院 消化器内科
キーワード:
Neprilysin
,
Pepsin A
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胃粘膜
,
リンパ行性転移
,
腺癌
,
免疫組織化学
,
印環細胞癌
,
Mucin-6
,
狭帯域光観察
Keyword:
Immunohistochemistry
,
Lymphatic Metastasis
,
Stomach Neoplasms
,
Gastric Mucosa
,
Gastroscopy
,
Neprilysin
,
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Signet Ring Cell
,
Pepsin A
,
Narrow Band Imaging
,
Mucin-6
pp.1110-1120
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021295043
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Helicobacter pylori(HP)感染率の低下に伴い検診の内視鏡検査では、RAC陽性のHP未感染症例が増加している。そのなかで、本邦では未感染症例に特徴的な早期胃癌が報告されている。U領域には胃底腺型腺癌、胃底腺粘膜型腺癌、ラズベリー様腺窩上皮型胃癌、低異型度腺窩上皮型腺癌、ML領域には印環細胞癌、L領域には腸型、胃腸混合型分化型腺癌の報告がある。これらの早期胃癌は存在部位と内視鏡像に特徴がある。進行胃癌の報告は少なく、多くの症例は未分化型腺癌である。報告されている早期胃癌の発育速度は遅いことが知られている。これらの癌が由来と考えられる浸潤癌が少なく、進行癌に結びつく病変か否かは現在のところ不明である。今後HP未感染の人口が増えていくなかで、これら早期胃癌の疾患の存在を知っておく必要がある。
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