特集 胃癌診療のパラダイムシフト
治療面のパラダイムシフト 手術ハイリスクのESD非治癒切除早期胃癌をどうすべきか?
小泉 英里子
1
,
後藤 修
,
土生 亜美
,
野田 啓人
,
樋口 和寿
,
恩田 毅
,
大森 順
,
辰口 篤志
,
貝瀬 満
,
岩切 勝彦
1日本医科大学付属病院消化器・肝臓内科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胃切除
,
栄養評価
,
加齢
,
危険因子
,
術後合併症
,
リンパ行性転移
,
リスク
,
リンパ節切除
,
共存疾患
,
筋肉減少症
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
待機療法
Keyword:
Nutrition Assessment
,
Lymph Node Excision
,
Lymphatic Metastasis
,
Stomach Neoplasms
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Gastrectomy
,
Gastroscopy
,
Risk
,
Aging
,
Comorbidity
,
Postoperative Complications
,
Risk Factors
,
Watchful Waiting
,
Sarcopenia
pp.1159-1164
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021295050
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早期胃癌ESD非治癒切除症例は「内視鏡的根治度(eCura)C-2症例」と呼ばれ、原則的に追加外科手術が推奨されている。一方、高齢で複数併存疾患を有するいわゆる手術ハイリスク症例では、無治療経過観察も選択肢となる。eCuraC-2症例かつ手術ハイリスクの場合、追加治療方針の決定には病変側因子(病理結果から推測されるリンパ節転移リスク)と患者側因子(年齢や併存疾患から予測される手術リスクおよび非胃癌死を含む生命予後)の両者を考慮する必要がある。現在、病変側因子についてはリンパ節転移リスクを予測するスコアリングシステムが提案され、また患者側因子に関してもさまざまな予後予測指標の有用性や侵襲性の低い術式が模索されている。近い将来、ESD非治癒切除症例における病変側因子と患者側因子の両者を包括的にとらえた、治療方針決定のアルゴリズムの登場が期待される。
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