特集 胃癌診療のパラダイムシフト
診断面のパラダイムシフト 除菌後胃癌の発見・診断のコツ
今枝 博之
1
,
宮口 和也
,
芦谷 啓吾
,
塩味 里恵
,
松本 悠
,
山岡 稔
,
大庫 秀樹
,
都築 義和
,
山田 健人
,
中元 秀友
1埼玉医科大学 消化管内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胃粘膜
,
色
,
画像強調
,
抗細菌剤
,
腫瘍侵入性
,
腺癌
,
多剤併用療法
,
幽門
,
除菌療法
,
狭帯域光観察
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Stomach Neoplasms
,
Gastric Mucosa
,
Image Enhancement
,
Gastroscopy
,
Color
,
Adenocarcinoma
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Pylorus
,
Neoplasm Invasiveness
,
Narrow Band Imaging
pp.1094-1106
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021295041
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年、除菌療法が急速に普及するとともに除菌後胃癌が発見される頻度が増加している。除菌後胃癌は、表面陥凹型、分化型腺癌が多く、高度萎縮例に多い。しかし、異型度の低い上皮や非腫瘍性上皮が胃癌上皮に連続することにより、胃癌の発見や範囲診断に難渋する場合がある。また、除菌後胃粘膜に腸上皮化生からなる斑状発赤や地図状発赤といった発赤調の陥凹性変化が多発し、胃癌との鑑別を要する。白色光観察のみならずNBI、BLI、LCI、色素内視鏡などの画像強調観察、拡大併用観察を用いた詳細な観察が病変の拾い上げから鑑別、質的診断、量的診断に有用であるが、胃炎様胃癌の範囲診断が困難な場合もみられる。未分化型腺癌では中間帯に褪色調の平坦陥凹性病変が検出される。高度萎縮例のみならず軽度萎縮例でも長期の経過観察が重要である。
Copyright© 2021 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.