特集 咽喉頭・頸部食道癌を見逃すな-拾い上げから治療まで
ハイリスク群に対する咽喉頭・頸部食道の精密観察 経鼻内視鏡によるIEEを併用した咽喉頭精密診断
川田 研郎
1
,
齋藤 賢将
,
藤原 直人
,
篠原 元
,
星野 明弘
,
大野 十央
,
河邊 浩明
,
朝蔭 孝宏
,
徳永 正則
,
絹笠 祐介
1東京医科歯科大学 消化管外科
キーワード:
咽頭腫瘍
,
画像強調
,
喉頭腫瘍
,
消化管内視鏡法
,
鼻腔
,
狭帯域光観察
Keyword:
Laryngeal Neoplasms
,
Nasal Cavity
,
Image Enhancement
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Pharyngeal Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
pp.1833-1841
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021086314
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経鼻内視鏡で咽喉頭を観察するには、鎮静薬をできるだけ使用せず、被検者に協力を求めることが重要である。マウスピースは使用せず、口を開けて舌を左右上下に動かしてもらい、口腔内を観察する。舌を前方に突き出して発声させながらスコープを口蓋垂の手前まで進めると、中咽頭が一望できる。次いで左右通りのいいほうの鼻孔から挿入し、上咽頭を観察する。経口内視鏡で見落としやすい中咽頭前壁は、経鼻的に中咽頭反転法を用いて観察すると良好な視野が得られる。下咽頭では「匂いを嗅ぐ姿勢」のもと、まず「ウー」と発声させて左右梨状陥凹、喉頭を観察、最後にValsalva法にて咽喉頭展開し、左右前後に内視鏡を振りながら下咽頭後壁~輪状後部を観察する。表在癌の拾い上げには、「領域性のある発赤」、「正常血管網透見の途絶」、「小白苔付着」、「ドット状またはイクラ状血管増生」などの白色光所見に加え、近接時はNBI、BLIを用いて領域性のあるbrownish area、またはLCIでの紫色もしくは白色の強調域に注目するとよい。
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