特集 咽喉頭・頸部食道癌を見逃すな-拾い上げから治療まで
ハイリスク群に対する咽喉頭・頸部食道の精密観察 拡大内視鏡を用いた咽喉頭精密診断
吉永 繁高
1
,
阿部 清一郎
,
野中 哲
,
鈴木 晴久
,
小田 一郎
,
斎藤 豊
1国立がん研究センター中央病院 内視鏡科
キーワード:
Valsalva操作
,
下咽頭腫瘍
,
画像強調
,
喉頭腫瘍
,
腫瘍侵入性
,
中咽頭腫瘍
,
消化管内視鏡法
Keyword:
Laryngeal Neoplasms
,
Valsalva Maneuver
,
Hypopharyngeal Neoplasms
,
Oropharyngeal Neoplasms
,
Image Enhancement
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Neoplasm Invasiveness
pp.1848-1853
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021086317
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咽喉頭の観察は、接線方向になりやすい、送気をしても管腔が広がらない、反射を惹起しやすいなど、解剖、生理学的な問題により、他の臓器に比べ観察が困難である。そのため、適切な鎮痛・鎮静、先端フードを用いた愛護的な観察、発声やバルサマウスを用いた観察可能域の拡大などの工夫が必要である。また頭頸部癌に対する固有の拡大内視鏡診断の分類がないため日本食道学会が定めた分類を準用するが、食道と咽喉頭の層構造は異なること、Type B1血管の3割程度に上皮下層に浸潤する癌が含まれること、上皮下層に浸潤する癌はType B血管のいずれのタイプも呈することなど留意すべき点があり、どこまでの層に浸潤するかではなく、腫瘍の厚みを血管の分類に加え肉眼型などもふまえて類推するなど、今後の症例蓄積による咽喉頭領域に特化した拡大内視鏡診断方法の検討が必要である。
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