特集 咽喉頭・頸部食道癌を見逃すな-拾い上げから治療まで
スクリーニング内視鏡における咽喉頭・頸部食道観察 私はこうしている スクリーニング内視鏡における経口内視鏡による咽喉頭・頸部食道のルーティーン観察
依光 展和
1
,
入口 陽介
,
小田 丈二
,
水谷 勝
,
冨野 泰弘
,
山里 哲郎
,
園田 隆賀
,
岸 大輔
,
山村 彰彦
,
細井 董三
1東京都がん検診センター 消化器内科
キーワード:
咽頭腫瘍
,
喉頭腫瘍
,
食道腫瘍
,
消化管内視鏡法
,
狭帯域光観察
Keyword:
Laryngeal Neoplasms
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Pharyngeal Neoplasms
,
Esophageal Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
pp.1811-1819
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021086312
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上部消化管内視鏡検査において咽喉頭・頸部食道は、苦痛なくスコープを通過させることが重要な領域であった。しかし近年では、NBIなどの画像強調内視鏡の普及とESDなどの内視鏡治療技術の進化により、咽喉頭・頸部食道癌を内視鏡にて診断・治療する時代となっている。一方で咽喉頭・頸部食道は狭く複雑な構造で、嘔吐・咳嗽反射などの苦痛を伴いやすい観察困難な領域である。被検者の咽喉頭・食道癌のリスク因子を把握したうえで、網羅性が高いだけでなく、効率性も重視した観察撮影が望まれる。主として挿入時に咽喉頭を、抜去時に頸部食道を観察撮影するが、発声機能に直結する喉頭と、咽頭癌の頻度が高い左右の梨状陥凹に留意する。下咽頭後壁・輪状後部の観察は困難であるため、咽喉頭癌ハイリスク患者の場合は、Valsalva法を用いた精密検査を考慮する。スクリーニング検査にて、咽喉頭・頸部食道癌の早期発見を行い、早期治療につなげていくことが期待される。
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