特集 咽喉頭・頸部食道癌を見逃すな-拾い上げから治療まで
スクリーニング内視鏡における咽喉頭・頸部食道観察 私はこうしている 経口内視鏡による咽喉頭・頸部食道のルーティーン観察
貝瀬 満
1
,
岩切 勝彦
1日本医科大学 消化器内科学
キーワード:
咽頭
,
咽頭腫瘍
,
Cholinergic Antagonists
,
喉頭腫瘍
,
食道腫瘍
,
声帯
,
鎮痛剤
,
消化管内視鏡法
,
精神鎮静法
,
狭帯域光観察
,
咽頭麻酔
Keyword:
Laryngeal Neoplasms
,
Vocal Cords
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Cholinergic Antagonists
,
Pharyngeal Neoplasms
,
Pharynx
,
Esophageal Neoplasms
,
Analgesics
,
Narrow Band Imaging
pp.1820-1827
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021086313
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咽喉頭・頸部食道癌を見逃さないルーティーン内視鏡を行うためには前処置・鎮静・スコープ選択が重要である。発声などの口頭指示に応じられる非鎮静を基本とし、鎮静必要時は鎮痛薬を選択する。ベンゾジアゼピンはNGである。キシロカインスプレーによる十分な咽頭麻酔と抗コリン薬による唾液抑制下で拡大内視鏡を用いる。まず口腔粘膜を観察し、錯角化・色素沈着の有無で咽喉頭・食道発癌リスクを評価して高リスク群ではより詳細な観察を行う。「イー」と発声させて喉頭挙上し、中咽頭~下咽頭を丁寧に観察する。咽頭反射・咳反射を誘発しないよう、喉頭蓋喉頭面接触や中咽頭後壁の強圧迫を避ける。癌拾い上げはNBI非拡大観察を基本とし、brownish areaがあれば拡大観察でType B血管の有無を評価する。声帯への粘液付着は咳払いで除去し、前交連近傍の白色変化に留意して声帯癌を診断する。常時内腔が閉じている頸部食道のルーティーン観察は、抜去時に送気しながら粘膜面との適正な観察深度を維持して観察する。
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