特集 十二指腸はこう診る
内視鏡分類(長谷部分類)にもとづく十二指腸病変の内視鏡診断 十二指腸陥凹性病変(非乳頭部)の内視鏡診断
藤浪 斗
1
,
稲土 修嗣
,
品川 和子
1富山大学附属病院 光学医療診療部
キーワード:
Behcet症候群
,
IgA血管炎
,
十二指腸炎
,
十二指腸潰瘍
,
十二指腸鏡法
,
十二指腸疾患
,
十二指腸腫瘍
,
鑑別診断
,
腺腫
,
結核-消化管
,
リンパ腫
,
アミロイドーシス
,
びらん
Keyword:
Behcet Syndrome
,
Diagnosis, Differential
,
Duodenal Diseases
,
Duodenal Neoplasms
,
Duodenal Ulcer
,
Lymphoma
,
Tuberculosis, Gastrointestinal
,
IgA Vasculitis
,
Adenoma
,
Duodenitis
,
Duodenoscopy
,
Amyloidosis
pp.1010-1017
発行日 2020年7月25日
Published Date 2020/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020388237
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十二指腸では食道、胃、大腸に比較すると腫瘍性病変の頻度は低いとされ、良性・悪性の鑑別診断は注目されてこなかった。しかし最近では従来稀とされてきた腫瘍性病変(腺腫・癌)への関心が高まり、十二指腸のEMRやESDといった内視鏡治療が議論されるようになっている。非乳頭部腫瘍性病変で陥凹型を示す代表的な病変は腺腫と粘膜内癌で、両者の鑑別はきわめて重要である。また十二指腸の潰瘍性・びらん性病変は、Helicobacter pyloriや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が原因である潰瘍を除けば、全身性疾患に伴って十二指腸に生じるため、診断に苦慮することが多い。本稿では日ごろ見過ごされがちな陥凹性病変から、多彩な形態を示す十二指腸の潰瘍性・びらん性病変までの通常内視鏡観察による鑑別診断のポイントについて述べる。
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