特集 十二指腸はこう診る
十二指腸への内視鏡挿入と観察の実際 乳頭部・副乳頭部の観察法(側視鏡)
小川 智也
1
,
良沢 昭銘
,
水出 雅文
,
谷坂 優樹
,
原田 舞子
,
鈴木 雅博
,
野口 達矢
,
田島 知明
,
真下 由美
1埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科
キーワード:
膵臓腫瘍
,
生検
,
総胆管腫瘍
,
胆膵管膨大部
,
消化器系内視鏡法
,
狭帯域光観察
,
副膵管
Keyword:
Common Bile Duct Neoplasms
,
Biopsy
,
Ampulla of Vater
,
Endoscopy, Digestive System
,
Pancreatic Ducts
,
Pancreatic Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
pp.958-964
発行日 2020年7月25日
Published Date 2020/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020388230
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近年、上部消化管内視鏡検査や各種画像検査の進歩・普及に伴い、無症状で診断される十二指腸乳頭部腫瘍および副乳頭部腫瘍が増加している。特に、スクリーニングで施行される上部消化管内視鏡検査が十二指腸乳頭部腫瘍の発見契機となる場合があり、十二指腸乳頭および副乳頭をルーチンに観察することは重要である。しかし直視鏡を用いた十二指腸乳頭部観察は容易ではなく、観察に難渋することも多い。十二指腸乳頭部腫瘍が疑われる場合は、側視鏡を用いた詳細な観察が必要である。十二指腸乳頭部病変を内視鏡所見のみで診断することは困難であり、鑑別診断や良・悪性の診断を目的とした内視鏡下生検が必須である。しかし、十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡下生検による診断は、乳頭切除後の病理組織学的診断と一致しないことも多い。内視鏡的乳頭括約筋切開術を付加したうえで開口部深部から生検を行うことが有用な場合がある。また内視鏡的乳頭切除術を行い、完全生検と治療を兼ねることも有用である。
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