特集 十二指腸はこう診る
十二指腸への内視鏡挿入と観察の実際 十二指腸水平部・上行部の観察と診断
小黒 邦彦
1
,
坂本 博次
,
三浦 義正
,
矢野 智則
,
山本 博徳
1自治医科大学 内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
十二指腸疾患
,
カプセル内視鏡法
,
バルーン小腸内視鏡法
,
小腸内視鏡法
Keyword:
Duodenal Diseases
,
Balloon Enteroscopy
,
Capsule Endoscopy
pp.965-970
発行日 2020年7月25日
Published Date 2020/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020388231
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十二指腸水平部・上行部の内視鏡観察は、バルーン内視鏡(BAE)やカプセル内視鏡(CE)の開発によって、容易に行えるようになった。BAE、CEを用いなくても従来の上部消化管内視鏡で十二指腸水平部・上行部を観察することは可能であるが、それぞれの特徴をふまえ、目的や部位に応じて適切に検査の選択をする必要性がある。十二指腸は他の臓器に比較すると疾患の頻度が低く、水平部・上行部においては特に低いが、腫瘍性病変から非腫瘍性病変まで多彩な病変がみられる。近年十二指腸病変の症例数は徐々に増えてきていることから、スクリーニングでも、可能なかぎりこの部位も観察すべきである。特に留意すべき疾患として、十二指腸腺腫・癌、悪性リンパ腫、GIST(消化管間質腫瘍)、また全身疾患に伴う病変などがあげられる。十二指腸水平部・上行部の観察はルーチンでは行われないため、進行例で発見されることも多い。この部位をどう観察計断すべきであるか検討するため、今後さらに症例を集積する必要がある。
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