特集 食道胃接合部の新展開
食道胃接合部の基本構造 食道胃接合部の組織構造
河内 洋
1
,
中野 薫
1がん研究会有明病院 臨床病理センター病理部
キーワード:
局所解剖学
,
上皮
,
静脈
,
食道胃接合部
,
平滑筋
Keyword:
Epithelium
,
Veins
,
Muscle, Smooth
,
Esophagogastric Junction
,
Anatomy, Regional
pp.673-679
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020385449
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食道胃接合部(EGJ)領域の正常組織像、噴門腺の分布、食道噴門腺と胃噴門腺、病理組織学的なEGJ線の同定について述べる。健常状態ではEGJは扁平円柱上皮接合部(SCJ)と一致するが、病的状態ではずれが生じる。EGJには胃噴門腺粘膜から扁平上皮粘膜への移行がみられるが、噴門腺は両者にわたって存在することがある。食道粘膜固有層には慢性炎症に伴い平滑筋線維が新生することが知られており、二重筋板・多層化筋板を形成する。扁平上皮島、固有食道腺・導管、新生平滑筋線維、柵状血管を指標として病理組織学的なEGJの推定が行われるが、内視鏡、X線、肉眼所見による同定と一致しないこともある。組織学的所見によるEGJ同定には限界があり、臨床所見とあわせた総合的判断が重要である。
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