特集 食道胃接合部の新展開
食道胃接合部の基本構造 食道胃接合部のマクロ構造の解明
荒川 廣志
1
,
番 大和
,
小山 誠太
,
安達 世
,
炭山 和毅
1東京慈恵会医科大学附属柏病院 内視鏡部
キーワード:
局所解剖学
,
筋
,
血管
,
食道胃接合部
,
噴門
,
下部食道括約筋
Keyword:
Blood Vessels
,
Cardia
,
Muscles
,
Esophagogastric Junction
,
Anatomy, Regional
,
Esophageal Sphincter, Lower
pp.664-672
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020385448
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食道胃接合部(EGJ)はcardia(噴門)であるが、その定義はいまだに不明瞭である。古典的解剖学ではEGJの指標は胃内斜走筋(胃sling fiber)であり、臨床的には食道胃粘膜境界(扁平上皮円柱上皮境界)であった。しかし、Barrett食道の発見により粘膜境界はその座を追われ、食道柵状血管が新たな指標となっている。X線透視では胃噴門口(CO)がEGJであり、未固定解剖標本にスコープを挿入し観察した結果もCOがEGJであり食道下端は円柱上皮に覆われていた。胃sling fiberはEGJの指標として重大な欠点があり、食道胃筋層構造の真の境界については今後さらなる検討が必要である。
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