特集 食道胃接合部の新展開
胃食道接合部の定義の新展開 京都国際コンセンサス会議の経緯と結果
菅野 健太郎
1
1自治医科大学
キーワード:
Barrett食道
,
胃腫瘍
,
食道胃接合部
,
噴門
,
コンセンサス開発会議
Keyword:
Cardia
,
Barrett Esophagus
,
Stomach Neoplasms
,
Esophagogastric Junction
,
Consensus Development Conferences as Topic
pp.637-645
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020385445
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国際的に一致したBarrett食道の定義は存在しない。その原因は、(1)食道と胃の境界をどこに定めるのか、(2)腸上皮化生の存在をその条件とすべきか否か、に関して国際的なコンセンサスが得られていないことによる。この問題を整理するには、その存在が議論されている噴門腺粘膜とBarrett食道との関係を明確にすることも必要となる。これらの国際的な不一致を抱えた諸問題に関する統一見解を得ることを目的に、食道、胃を専門とする内科、病理、外科のオピニオンリーダーを招請し、Delphi方式での2回の事前投票を経て京都での対面会議を開催した。幸い、Barrett食道、食道・胃の境界、胃食道接合部領域の定義などについての国際的コンセンサスを得ることができた。これを機に胃食道接合部領域の病態、診断、治療についての関心が高まり、このコンセンサスの疫学的影響、臨床的有用性についての検証が行われることを期待する。
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