特集 消化管内視鏡診断の基本手技
上部消化管 胃の画像強調内視鏡診断法
内多 訓久
1
,
八尾 建史
,
前田 充毅
,
重久 友理子
,
宮田 好裕
,
大家 力矢
,
佐々木 詩織
,
岩崎 丈紘
,
小島 康司
,
岡崎 三千代
,
岩村 伸一
1高知赤十字病院 消化器内科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
画像強調
,
消化管出血
,
浸漬
,
毛細血管
,
胃鏡
,
狭帯域光観察
,
空間分解能
Keyword:
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Stomach Neoplasms
,
Image Enhancement
,
Gastroscopy
,
Capillaries
,
Immersion
,
Gastroscopes
,
Narrow Band Imaging
pp.536-544
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020250296
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NBIをはじめIEE併用拡大内視鏡は胃癌診断においても今や不可欠である。有用性については多くの報告があるが、観察倍率は術者が任意に選択できるため一律に比較できない。筆者らの拡大内視鏡による範囲診断能の検討では弱拡大観察での正診率は86.7%であり最大倍率観察まで行うと97.6%まで上昇し、最大倍率での観察と診断の重要性が示唆された。最大倍率での観察では検査前の準備が大切であり、黒フードの適切な装着、構造強調はB8で行うこと、胃炎に伴う粘液の軽減目的でPPIを内服させる、などの対応も効果的である。検査は極力愛護的に内視鏡を操作し、脱気を基本とした観察を行う。部位別に八尾の4つのテクニックを用いて内視鏡を病変にアプローチさせる。診断はMESDA-Gを基本として行うが、褪色調病変はlimitationであり生検診断が必要である。また胃底腺型胃癌に代表される特殊型胃癌は拡大内視鏡のみでは診断できないこともあるが、特徴的な内視鏡像を示すので理解しておく必要がある。
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