消化器内視鏡の技術革新-開発秘話と次世代内視鏡医療の構築に向けて
技術革新と開発秘話 NBI(Narrow Band Imaging) 開発から臨床応用まで
佐野 亙
1
,
佐野 寧
1佐野病院 消化器センター
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
咽頭腫瘍
,
大腸内視鏡法
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
大腸腫瘍
,
毛細血管
,
狭帯域光観察
Keyword:
Capillaries
,
Colonoscopy
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoscopy
,
Gastroscopy
,
Pharyngeal Neoplasms
,
Stomach Neoplasms
,
Colorectal Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
pp.1319-1324
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016397509
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
NBI(狭帯域光観察)の開発は,1990年代後半から「がん克服新10か年戦略」の一環として行われた内視鏡的分光測定システムの研究に端を発する.この研究のなかで,415nmの狭帯域光を使って観察すると従来の白色光では観察困難であった微細血管像のコントラストが向上することがわかり,1999年にこの狭帯域光を用いたNBI内視鏡システムの開発が始まった.その後,日本のみならず世界各国の医師による精力的な研究によりNBIの医学的有用性が検討され,2006年にNBIを搭載した次世代内視鏡システム,EVIS LUCERA SPECTRUM(オリンパス社)が発表された.NBIでは,粘膜表層の微小血管構築や表面微細構造を観察することができるため,消化管にとどまらず,現在さまざまな臓器における病変の診断に広く利用されている.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.