特集 消化管内視鏡診断の基本手技
上部消化管 下咽頭・食道の画像強調内視鏡診断法
有馬 美和子
1
,
都宮 美華
,
剛崎 有加
1埼玉県立がんセンター 内視鏡科
キーワード:
下咽頭腫瘍
,
画像強調
,
腫瘍侵入性
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
毛細血管
,
狭帯域光観察
Keyword:
Hypopharyngeal Neoplasms
,
Esophagoscopy
,
Image Enhancement
,
Capillaries
,
Esophageal Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Narrow Band Imaging
pp.529-535
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020250295
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NBIやBLIなどの画像強調内視鏡とNBI/BLI併用拡大観察を行うと、高い精度で食道表在癌の拾い上げと良・悪性鑑別診断ができる。食道表在癌の診断学は咽頭癌の早期発見にも応用され、咽頭表在癌を消化器内視鏡で発見し、治療する機会が増加している。咽頭は発赤や白色隆起、肥厚、白苔、びらん、メラノーシスに着目し、通常観察と画像強調法を切り換えながら観察する。拡大観察には先端フードを装着し、微細血管は日本食道学会分類に準じて診断する。食道も粘膜の発赤や褪色調変化、隆起や陥凹、びらん、血管透見像の消失などに注意して観察する。基底層型上皮内癌など、ヨード染色で初めて認識される病変もあるため、精密な拾い上げや正確な範囲診断にはヨード染色も行う。ヨード染色は0.5~1.0%ルゴール液を用い、観察後にはチオ硫酸ナトリウム溶液を散布する。食道表在癌は通常観察で病型をとらえ、拡大観察で各部の微細血管構造を観察し、組織像の成り立ちを評価する。
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