特集 すべてがわかるIBDの内視鏡
Crohn病の内視鏡 重症度評価と粘膜治癒の意義
大塚 和朗
1
,
竹中 健人
,
藤井 俊光
,
齊藤 詠子
,
本林 麻衣子
,
清水 寛路
,
日比谷 秀爾
,
長堀 正和
,
土屋 輝一郎
,
渡辺 守
1東京医科歯科大学医学部附属病院 光学医療診療部
キーワード:
Crohn病
,
腸粘膜
,
消化管内視鏡法
,
重症度指標
Keyword:
Severity of Illness Index
,
Crohn Disease
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Intestinal Mucosa
pp.256-261
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020163374
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Crohn病は、炎症の再燃と寛解を繰り返すとともに、次第に腸管損傷が蓄積されていく慢性炎症性疾患である。評価にはCDAIが使用されてきたが、これは自覚症状を主としている。内視鏡的指標としてCDEIS、SES-CDがあるが、小腸の評価は不十分である。また、術後の評価にはRutgeertsのスコアがある。カプセル内視鏡は簡便で侵襲性が低いため小腸病変の検索に有用であり、Lewisスコアが使用される。腸管損傷の評価にはLemann indexがある。CTやMRIといった横断的画像診断も重要であり、被曝の観点などからMR enterographyが推奨され、その指標としてはMaRIAスコアがある。目的に応じて検査方法を選択する。Crohn病は根治療法が確立されていないため、適切なモニタリングにもとづきコントロールしていく。粘膜治癒は、一般に潰瘍の治癒した状態を指し、その達成は長期予後の改善につながる。そこで治療目標としては、小腸を含めた粘膜治癒を目指すことが望ましい。
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