発行日 2013年12月20日
Published Date 2013/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014105397
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
70歳代男。約9年前に下部消化管内視鏡で多発ポリープに対し内視鏡的切除が行われた。だが、病理診断では直腸病変の1つがwell differentiated adenocarcinoma、T1b(SM2)、ly0、v0、LM(-)、HM(-)と診断され、低位前方切除が追加施行された。今回、年1回の下部消化管内視鏡検査で発赤調の辺縁不整な陥凹病変がみられ、拡大観察より陥凹内全体に口径不同で配列の不整な微小血管を認め、佐野分類でcapillary pattern type IIIAと診断された。また、インジゴカルミン撒布像拡大観察では小円形pitはIIIs、縦長pitはIIIL型で配列不整であった。一方、クリスタルバイオレット染色拡大観察では小円形および延長pitの口径不同や不規則配列を認めてV1軽度不整、内視鏡的診断は早期大腸癌0-IIc、深達度Mと診断された。以上より、治療として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行したところ、組織所見は異型度の低い高分化腺癌がみられ、粘膜筋板内に腺管成分の進展を認めるも粘膜筋板は越えておらず、病変の粘膜下層にも明らかな線維化なく、深達度はM(MM)であった。
Copyright © 2013, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.